津軽ダムを建設する以前には、1960年に完成した「目屋ダム」が同じ場所で役割を果たしていた。ところが貯水容量が小さいために洪水や渇水を繰り返したために、容量の大きい津軽ダムを新設して洪水調節やかんがいの機能を高めることになった。
目屋ダムには東北電力の「岩木川第一発電所」(発電能力1万1000kW、水車発電機2基)が1960年から運転を続けてきたが、目屋ダムと同時に2015年9月に運転を停止している。ただし岩木川第一発電所に併設する変電設備は「岩木川変電所」として運転を継続中。
ダムの貯水部から発電機までは、ダムの堤体の内側に設けた取水設備を使って水流を取り込む方式。堤体は高さが97mあり、平常時には最高で75mの位置まで水が貯まる。さらに20m上まで水を貯めることが可能で、洪水時の最高水位にも耐えられる設計になっている。この堤体の上部から取水することで、最大落差が65mの水流を水車発電機に送り込むことができる。
スマートジャパンより抜粋