かつて石鹸業界の国民的ブランドとして一世を風靡した「ミツワ石鹸」が今春、四半世紀以上の時を経て蘇ることになった。玉の肌石鹸(東京都墨田区/三木晴雄社長)が新会社「ミツワ石鹸株式会社」を設立、4月上旬からの出荷を明らかにしたもの。
社名に由来する3つの輪をデザインしたシンボルマークも踏襲する。商標権なども取得し、新たな商品づくりを進めている。ミツワ石鹸は世界的にも数少なくなった伝統的な鹸化塩析法を採用することで、石鹸素地の品質にこだわりを示した。さらに当時、東洋では初めてとなる香料研究拠点を設け、「香りのミツワ」と高く評価されていたことも復活の重要なポイントと捉え、平均的な石鹸では使用されることのない最高級の香料を配合して製品化を図っている。
三木社長は「ミツワ石鹸には、使っても減りにくいという、持ちの良さにも定評があった。それは、物を大切にしたいという当時のニーズであり、現代の使い捨て文化とは対局にあるもの。そうした価値観が、省資源・省エネルギーが求められるこれからの時代に、本当に必要な考え方として認識されてくると思う」と説明する。