弘前城本丸は現在、石垣の老朽化による修理工事を進めています。それにともない石垣の上にそびえる天守も2015年に曳屋を行い、現在は本丸内部の仮天守台に移動しています。石垣修理事業は2023年まで行われる予定です。
現在の天守は、建築年こそ新しいものですが、濠側の東・南両面には鉄扉を付けず、矢狭間だけとし、また1・2層にはその中央に張り出しをつけ、切妻破風・石落としを設けるなど、古形式を特徴としています。
また、5間×6間の初層平面に対し、2層、3層と各一間ずつ小さくなる層等式の建築となっており、二の丸側から天守を見た時、切妻破風と狭間によってその印象を大きく見せようとする工夫が凝らされていると言われています。
一方、本丸内側から見た北・西両面には破風も狭間も無く、採光を考えて窓も大きくされています。 江戸時代に建築され現存する天守としては、東北地方唯一のものであり、小規模ではあるものの、全国の天守の中でも代表的なものとされています。
仮天守台に移動した現在は主に弘前城天守曳屋の資料が展示されています。見学は無料ですが、本丸への入場料金が別途必要になります。