黒漆の模様(多くは線描を主にした総模様)に紗(津軽地方ではもみ殻のことを紗と呼ぶ)の炭粉を蒔き、 研ぎ出して磨き仕上げされたものを紋紗塗(もんしゃぬり)と呼ぶ。
今日まで明治維新以後の作例は少なく、現在では一般製品としてはあまり見かけられなくなってしまった。 紋紗塗という名称の意義や発祥の経緯も適確に掴むことは出来なかったのだが、紋紗塗の一つの原則として、 炭粉と黒漆を主体にした一種の変わり塗りで、固定された技法ではなく、変化自在の多様性を持っていたとされる。
また紋紗塗は研ぎ出し技法の中で最も独特なもので、津軽塗ならではの塗であると言える。
津軽塗の塗模様より抜粋