1999年8月11日に見られた皆既日食帯は地球上を通過する月の本影錐がアメリカのボストン沖で始まって、大西洋を横断。イギリスをかすめてフランスに上陸、パリの北を通過してドイツのミュンヘン、オーストリアのザルツブルグなどの都市を通過、東欧を通過した後、トルコや中東を通過してインドのベンガル湾で終わりました。皆既の継続時間が最大でも2分30秒程度と小規模でしたが、お盆期間中で休みが取りやすかったので、世間からも注目された日食でした。
この皆既日食を起こすサロスNo145は、日本人にとっても馴染み深いものです。1サロス前は1981年7月31日でした。このときの皆既帯は北樺太を通過したために、日本でも深い部分日食(稚内の宗谷岬で84.74%)を見ることができました。2サロス前は1963年7月21日で、北海道で早朝に30秒程度の皆既日食が見られました。更に今回の皆既日食の1サロス後は2017年8月21日にアメリカ合衆国横断するもので、多数の遠征者が見込まれます。