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自動改札
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DISCOVER JAPAN
ディスカバー・ジャパン (DISCOVER JAPAN) とは、日本国有鉄道(国鉄)が個人旅行客の増大を目的に1970年から始めたキャンペーン。個人旅行の拡大や女性旅行者の増加などの社会情勢の変化とマッチし、キャンペーンとしては成功したとみなされている。キャンペーンの副題は「美しい日本と私」。
国鉄は1970年10月に万博終了後の旅客確保対策として、個人旅行拡大キャンペーン「ディスカバー・ジャパン'」を開始した。従来のキャンペーンは特定地域に絞ったものが多かったが、「ディスカバー・ジャパン」は「日本を発見し、自分自身を再発見する」をコンセプトに全国的に進められた。
このキャンペーンは広告代理店の電通が全面的にプロデュースを行い、副題も含めたキャンペーン名も電通の創案による。当時電通でこのキャンペーンを企画した藤岡和賀夫によると、コンセプトとしては「ディスカバー・マイセルフ」であったが、「マイセルフ」の部分の表現として「美しい日本と私」という副題が出てきた。このフレーズが川端康成のノーベル文学賞受賞記念講演「美しい日本の私」に似ていることに気づいた藤岡は、川端にキャンペーンでこのフレーズを使うことを打診したところ、快諾された上にポスターに使う揮毫までもらうことができた。
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ディスカバー・ジャパン
このキャンペーンは車内や駅のポスター以外に様々なメディアでも宣伝された。駅スタンプは、それまで特定観光地にしか設置されていなかったが、このとき設置駅を1400に増やした。その他にも機関紙の発行、新聞での特集記事、テレビ番組の設定などがキャンペーンを盛り上げるために実行された。
主要30駅(上野駅や東京駅など)の駅前には、3年間の期間限定で「ディスカバー・ジャパン・タワー」が設置された。日立製作所のカラーテレビキドカラーの宣伝列車「日立ポンパ号」は、「ディスカバー・ジャパン」のキャンペーンと連動した。
キャンペーン開始と同時の1970年10月に、国鉄提供によるテレビ紀行番組『遠くへ行きたい』が始まった。これは永六輔が一人で日本全国を旅して、各土地の名所紹介や住民とのふれあいをテーマにした番組だった。永六輔が作詞した同名の主題曲とともに当時の国民の旅行への憧憬をさそった。
またキャンペーンの始まりと時を同じくして1970年3月に女性雑誌『an・an』、1971年5月に同『non-no』が創刊された。両誌は各地の小京都や倉敷・萩などのシックな町並み、中山道の静かな宿場(妻籠宿・馬籠宿など)をファッションモデルが訪れる形式で紹介して若い女性の個人旅行スタイル「アンノン族」を生み出した。各観光地には小グループの女性客が多く来訪するようになり、観光地は女性をターゲットとした街造りを意識するようになった。「ディスカバー・ジャパン」のキャンペーンは第1次オイルショックを経ながら、1976年12月まで続けられた。『an・an』のモデルでもあった秋川リサは後に、「気ままな旅のリサでございます」という全国の周遊券のテレビCMに登場した。
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寝台特急 北斗星
北斗星は、上野駅 - 札幌駅間を東北本線・いわて銀河鉄道線・青い森鉄道線・津軽海峡線・函館本線・室蘭本線・千歳線を経由して運行する寝台特別急行列車。食堂車やロビーカー、個室寝台を連結し「日本初の豪華寝台特急」とも言われる。
青函トンネル(津軽海峡線)が開業した1988年3月13日に、初めて東京と北海道を乗り換え無しで直行する列車として運行を開始した。走行距離 1,214.7 kmはJRグループが運行する定期旅客列車として最長距離。このうちJR線 1,010.8 kmである。臨時列車も含めた全旅客列車でも、「トワイライトエクスプレス」に次ぎ、同一経路で運行される「カシオペア」と同順位の2位である。運行開始当初は1日3往復が運行され、うち1往復は臨時列車扱いだった。1989年には3往復全てが定期列車となった。
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北斗星 概要
寝台特急北斗星は、1999年の「カシオペア」運行開始後は1往復が臨時列車に格下げされ2往復となった。2008年3月以降は北海道新幹線建設工事の影響で、青函トンネルを含む津軽海峡線区間での夜間工事時間帯確保のため毎日1往復のみの運行となっている。
2014年3月14日をもって寝台特急「あけぼの」が定期運行を終了して以降、上野駅発着の唯一の定期夜行列車となっている。だが2015年3月13日で定期運行を終了し、27年の歴史に幕を閉じる予定。
運行開始から25年を経た現在でも、首都圏~北海道間相互の観光客需要を中心に根強い人気がある。1往復に減便されたことも相まって、特に繁忙期は個室寝台を中心に1か月前の寝台指定券発売開始後すぐに売り切れることが多い。
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北斗星 客車編成
北斗星 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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上野駅 - 大宮駅 - 宇都宮駅 - 郡山駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 函館駅 - 森駅 - 八雲駅 - 長万部駅 - 洞爺駅 - 伊達紋別駅 - 東室蘭駅 - 登別駅 - 苫小牧駅 - 南千歳駅 - 札幌駅
このほか上下列車とも一ノ関駅・盛岡駅・青森駅に、上り列車のみ蟹田駅に運転停車する。 一ノ関駅と盛岡駅では運転士の交代、青森駅では牽引機関車の交換と運転士・車掌の交代が行われる。両名ともにJR東日本とJR北海道が交代する。
客車は24系25形客車で、1 - 6号車がJR北海道札幌運転所所属、7 - 11号車および電源車がJR東日本尾久車両センター所属の2社混成12両編成で運転されている。青森駅と函館駅において方向転換を行うため、両駅間は進行方向が変わり逆編成となる。
JR北海道所属車両(1 - 6号車)の特色として、個室寝台車(ソロ・デュエット)の車体側面は本列車専用デザインのエンブレムが取り付けられている。これはオリエント急行に使用されているワゴン・リ客車の「向かい獅子」のマークを参考にデザインしたものと言われている。
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ウェルカムドリンク
北斗星は個室寝台主体の列車であるが、乗客が利用できるコンセント設備は「ロイヤル」個室内および各車の共用洗面所(電気シェーバー用のAC100V電源)のみである。「ロイヤル」以外の客室にはタオルなどのアメニティ類は常備されていない。石鹸が各車の共用洗面所にある他は、就寝時用の浴衣のみであるため食堂車で購入するか持参する必要がある。
A寝台のロイヤルは本列車の最高級室であり、9・10号車に2部屋ずつ設置されている1名用個室。補助ベッドで2名用のダブルベッドとして利用することも可能。個室内に専用のシャワーブース(シャワーの温水は延べ20分間使用可能。タオル・石鹸・シャンプー・カミソリ等のアメニティセット付)、トイレ、洗面台、ドライヤー、ビデオ放送モニターなどが完備されており、ソフト面でも乗車時のウェルカムドリンクやモーニングコーヒー、朝刊(下りは北海道新聞・上りは読売新聞)のサービスのほか、食堂車直結のインターホンでルームサービスも受けられる。1室当たりの寝台料金は17,180円。その他、寝台料金に加え運賃・特急料金も別途必要。
ツインデラックスは、8号車に8室設置されている2人用個室。上下2段式のシングルベッドとビデオ放送用モニター、小型デスクなどが設置される。下段ベッドを起こすとテーブル付のソファーになる。ロイヤル専用の付帯設備・サービスは無く、寝台料金も若干安価に設定されている。1名当たりの寝台料金は13,350円で、1室当たり26,700円となる。
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北斗星 食堂車
北斗星は、食堂車を連結する国内唯一の定期運行列車である。フランス語で"北斗七星"の意で「グランシャリオ」(Grand Chariot)と命名された食堂車が7号車に組成され、フランス料理や和食、軽食類などが用意される。JR東日本の飲食サービス子会社である日本レストランエンタプライズが営業を担当する。
ディナータイムは、フランス料理コースか懐石御膳のいずれかを選択できる。前者は7,800円、後者は5,500円。事前予約制で、乗車日3日前までにみどりの窓口で食事券を購入した乗客のみが利用できる。A寝台の乗客は、懐石御膳に限りルームサービスが可能。上り列車は2タームで営業し、下り列車は発車が19時台と遅いため1タームのみとなる。
パブタイムはディナータイム終了後に軽食類を提供する営業時間帯で、ビーフシチューやハンバーグなどのアラカルト、おつまみ・デザート・アルコール類などを用意する。予約は不要で、全ての乗客が利用可能。パブタイムは、ディナータイム終了後の案内放送から開始される。ラストオーダーは22時30分、営業終了は23時00分である。パブタイムでも調理されるピザなどテイクアウトする場合、断られる場合がある。
モーニングタイムは、6時30分より朝食メニューが用意される。価格は1,600円。和食と洋食が選べる。予約は不要で全ての乗客が利用可能。その他、6号車のミニロビーに設置されている共用シャワー室の利用カードやシャワーセット・乗車記念グッズ・弁当・土産品などを販売する。
6号車の一角にはミニロビーがあり、全ての乗客が利用可能。約10名が座れるソファや飲料自動販売機、共用シャワー室などが設置されている。シャワーの温水は1名当たり延べ6分間使用可能。利用の際は食堂車でシャワー券(310円)を購入する必要があり、特に繁忙期は始発駅発車後すぐに売り切れる。共用シャワー室にタオル・石鹸・シャンプー等のアメニティ類は設置されていないので、シャワー券と一緒に購入するか持参する必要がある。
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北斗星 存続問題
北海道新幹線開業により青函トンネルを含む約82kmが新幹線と在来線の共用走行区間となり、架線電圧が在来線用の2万Vから新幹線用の2万5000Vへと変更される。
2013年11月6日、2015年度末(2016年春)に予定されている北海道新幹線開通に合わせ、同年度中に廃止される見込みであることが報道された。北海道新幹線開業に伴う青函トンネルの架線電圧の変更に伴い従来の電気機関車は使えなくなるため、夜行急行「はまなす」や寝台特急「カシオペア」とともに2016年3月に予定されている北海道新幹線開業前に廃止となる公算が大きくなっているという見方もあり存続問題に関心が集まった。
2014年8月、北海道、青森県、岩手県の幹部が国土交通省を訪れ寝台特急「カシオペア」や「北斗星」の存続をJR北海道などに働きかけるよう求める要望書を手渡した。
2014年12月4日、北斗星を2015年3月のダイヤ改正で廃止する方向となったことが報道された。老朽化に加えて北海道新幹線開通に関連して青函トンネル等の工事や走行試験が始まることが理由としている。その後同月19日に正式に廃止が発表された。発表によれば「引き続き設定が可能な時期(8月下旬頃)まで、臨時列車として運転いたします。」とされている。
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寝台特急のルート
JRの寝台特急「北斗星」(上野-札幌)が、今年3月14日のダイヤ改正で廃止されると正式に決まったことで、第三セクター青い森鉄道の経営は大きな影響を受けそうだ。JR側は青い森鉄道と重なる運行区間の利用料4億円前後を毎年青い森鉄道に支払ったが、北斗星廃止に伴って利用料が大幅に減る。
青い森鉄道の線路を利用するJRの寝台特急は、北斗星が1日1往復、カシオペアが週3往復。JR東日本などによると、来年3月の北海道新幹線開業に向けて新幹線車両の走行試験が本格化するため、夜間に青函トンネルを通過する北斗星の運行継続は困難と判断した。車両が老朽化し、設備更新に多大な費用がかかることも廃止の一因という。
青森県内で北斗星の乗り降りはできないが、青い森鉄道の青森-目時(青森県三戸町)間・約122kmを通過する。JRが乗り入れる三セク区間としては全国最長。青い森鉄道は2013年度、JRからこの区間の通行料として3億8800万円を得た。年間旅客収入(18億5300万円)の2割を占め、北斗星廃止後は大幅な減収は避けられない。
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寝台特急カシオペア
カシオペアは、JR東日本が上野駅 - 札幌駅間を東北本線・いわて銀河鉄道線・青い森鉄道線・津軽海峡線・函館本線・室蘭本線・千歳線・函館本線を経由して運行する寝台特急列車である。
カシオペヤ座は、北斗七星と同様に北極星を見つけ出すためによく使われる星座であり、この列車が上野駅 - 札幌駅間を寝台で往復することから、JR東日本は、それにちなんでこの列車名を付与した。
E26系客車は1編成しかないため、下りは上野発火・金・日曜日、上りは札幌発月・水・土曜日のみ運行。但しゴールデンウィークと夏季、年末年始は曜日に関わらず2日に1本の運行。このため、定期列車ではなく臨時列車となる。毎年10月下旬~12月上旬は、車両の点検・整備のため運休する。
カシオペアスイート(展望室)は、1号車の車端部にある。構造は平屋で寝台定員は2名であり、ベッドの他に展望部分にリビングスペースを設ける。1部屋のみの設定で、寝台券の確保は特に難しい。座席番号は1号車1番。展望室の通路側にある幅60cmの2つのクローゼット間やベッド間にある楕円窓は、引き戸で閉じられる。シャワールームと洗面所・トイレがある。
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カシオペア客車編成
カシオペア | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
← 上野 札幌 → | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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編成の向きは1号車が上野方、12号車が札幌方を基本とし、青森駅 - 函館駅間(津軽海峡線)では進行方向が変わり逆編成となる。12両編成のうち10両が客室であり、座席車はなく寝台車のみの設定である。
寝台は全て2名用A寝台個室であり、開放式A寝台およびB寝台の連結はない。他にダイニングカー(食堂車)を1両、ラウンジカーを1両連結している。喫煙可能なのは2号車・5号車・6号車・11号車で、その他の車両は全面禁煙である。
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カシオペア 食堂車
3号車:ダイニングカー(食堂車)客席が2階、厨房が1階の2階建構造。フランス料理や和食、軽食類などが用意される。JR東日本の飲食サービス子会社である日本レストランエンタプライズが営業を担当する。
ディナータイムは、フランス料理コース(7,800円)か懐石御膳(5,500円)のいずれかを選択できる。事前予約制で、乗車日3日前までにみどりの窓口で食事券を購入した乗客のみが利用できる。カシオペアスイートまたはカシオペアデラックスの乗客は、懐石御膳に限りルームサービスが可能。同様に事前予約制の特製「カシオペアスペシャル弁当」(3,500円)も用意されており、こちらは全ての乗客がルームサービスを受けられる。
パブタイムはディナータイム終了後に軽食類を提供する営業時間帯で、ビーフシチューやハンバーグなどのアラカルト・おつまみ・デザート・アルコール類などを用意する。予約は不要で、全ての乗客が利用可能。パブタイムはディナータイム終了後の案内放送から開始され、ラストオーダーは22時30分、営業終了は23時00分である。
モーニングタイムは、6時30分より朝食メニュー(1,600円)が用意され、和食と洋食が選べる。予約は不要で、全ての乗客が利用可能。その他、共用シャワー室の利用カードやシャワーセット・乗車記念グッズ・弁当・土産品などを販売する。
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トワイライトエクスプレス
トワイライトエクスプレス(Twilight Express)は、大阪駅 - 札幌駅間で運行している臨時寝台特別急行列車である。列車名は、出発日夕と翌日明け方の薄明を意味するトワイライトが由来となっている。
1989年7月21日に運転を開始。当初はツアー客用のみの団体専用列車で、寝台券は一般販売されなかった。同年12月に臨時列車に変更し、寝台券の一般販売を開始した。東海道本線・湖西線・北陸本線・信越本線・羽越本線・奥羽本線・津軽線・海峡線・江差線・函館本線・室蘭本線・千歳線の12線区を経由する。
本列車は臨時列車の扱いであるため、JRグループ共通の予約状況検索サイトJRサイバーステーションでは検索対象外となっており、空席状況はみどりの窓口などで直接確認する必要がある。但し、例外的に札幌発のB寝台のみJR北海道のホームページで空席状況が確認できる。
2014年5月28日、車両老朽化を理由に2015年春で運行を終了することをJR西日本が発表した。他に北海道新幹線開業時に青函トンネルの電圧が変更されることや整備新幹線の並行在来線がJRから第三セクター鉄道へ移管されることも廃止理由としてあげられている。2014年12月19日には、JR西日本から大阪発・札幌発とも2015年3月12日を最終運転日とすることが発表された。
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トワイライト運行概況
トワイライト下り大阪発札幌行きは1,495.7kmを約22時間、上り札幌発大阪行きは1,508.5kmを約22時間50分かけて運行し、JR西日本・JR東日本・JR北海道のJR旅客3社にまたがる日本一の長距離旅客列車。
運転日は始発駅基準で、下り列車が月曜日・水曜日・金曜日・土曜日、上り列車は火曜日・木曜日・土曜日・日曜日である。運転日が限定されているため、カシオペアと同様に定期列車ではなく臨時列車として運転されている。そのため列車番号は大阪駅を起点として下り列車が 8001、上り列車が 8002 である。ゴールデンウィークや6月中旬 - 8月中旬・年末年始・さっぽろ雪まつりなどの繁忙期には毎日運転されており、その期間中は保有する3編成すべてが運用されている。
通常期でもイベントや旅行会社主催のツアー用に団体専用列車として運行される場合もあり、大阪駅以南の大阪環状線や阪和線・紀勢本線、大阪駅以西の山陽本線や呉線、他に四国や九州にも入線したことがある。その際には、EF65形などが牽引機として使用される場合もある。
大阪駅と札幌駅の発着時には、「いい日旅立ち」のインストゥルメンタルバージョンが流されている。かつては大阪発で「いい日旅立ち」、札幌発で「三都物語」の、いずれも本人歌唱版が流されていた。
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トワイライト客車編成
トワイライトエクスプレス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
← 大阪 札幌 → | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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トワイライトエクスプレスの客車はJR西日本網干総合車両所に所属し、宮原支所に配置されている24系25形客車のうち、当列車用に内外装の改造を施した専用編成(10両編成3本)が運用されている。
2002年秋までに全編成の車両リニューアルが完了。内装は「木のぬくもり」をテーマにした木目調に変更。A寝台車両やサロンカーにあるテレビモニターの更新や、7号車のミニサロンには本革のソファーを設置。外装は黄色の帯の上下に銀色の縁取りが追加され、車体側面にあるエンブレムも意匠を変更している。
カニ24形は、トワイライトエクスプレス色に塗り替えられた専用車が4両在籍する。編成は3編成だが故障時などに備えて予備が1両配置されており、車番は10・12・13・14である。また、トワイライトエクスプレス色のカニ24形はかつて運行されていた寝台急行「銀河」や寝台特急「日本海」にも連結されたことがあった。EF81形電気機関車と同様に密着自動連結器に交換されており、乗り心地の向上に役立っている。
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トワイライト客室設備
トワイライトの1号車と2号車はA寝台個室になっている。寝台兼用となるソファーベッド・テーブル・シャワー室・トイレ・ビデオモニター・オーディオサービスなどが設置された豪華な造りになっている。
スイートは、1号車・2号車に1室ずつ設置されている2人用個室。リビングとツインベッドを備えた寝室とが別々となっており、リビングと寝室とはレースカーテンで仕切ることもできる。リビングにあるソファはエキストラベッドにもなり、オプションで3人まで利用可能となる。他にシャワー室、洗面台・トイレ、冷蔵庫、ビデオモニター用の液晶テレビ、クローゼットを備える。発車直後にウェルカムドリンク、翌朝には新聞朝刊とコーヒーまたは紅茶がサービスされる。1号車の個室は列車の大阪寄り最後部(上り列車では最前部)のため展望を満喫できるが、興味本位で外から覗かれやすいため、リビングの展望窓は外から見えにくいようマジックミラーに取り換えられている。デビュー当初はダブルベッドだったが、現在はツインベッドに交換された。
シャワー室は脱衣場のない収納式の洗面台・トイレと一体となったユニットタイプである。2号車の個室は車両中央部に配置されているため、方窓タイプとなっており展望は満喫できない。ただリビングにはサロンカーに設置されているものと同一の、屋根まで回り込んだ曲面ガラスを備えている。ベッドは1号車が枕木に平行して配置されているのに対し、こちらはレールに平行して配置されている。また車両中央部に配置されているためこちらの方が揺れが少なく、快適である。シャワー室はセパレートタイプで、脱衣場にもなる洗面台・トイレとは別々に設けられている。
ロイヤルは、1号車・2号車に4室ずつ設置されている1人用個室。ベッドはセミダブル仕様で、2人での利用も可能。この他、シャワー室、洗面台・トイレ、ビデオモニター用液晶テレビ、クローゼットなどを備える。発車直後にウェルカムドリンクが、翌朝には新聞朝刊とコーヒーまたは紅茶が、それぞれサービスされる。同名の個室は「北斗星」にも存在するが、ソファーベッドが電動式になっているという違いがある。
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ダイナープレヤデス
トワイライトエクスプレスの3号車に連結されるレストランカー「ダイナープレヤデス」は、「北斗星」や「カシオペア」と同様に、食堂車での夕食サービスを時間指定制とした列車でもある。なお、ランチタイムやパブタイムなども含めて、メニューは季節ごとに入れ替わっている。他にも、アルコール類、オリジナルグッズやシャワー室利用券、新聞朝刊の販売なども行っている。
大阪発は正午前の発車となるため、13時から16時までランチタイムとしてランチメニューを提供している。メニューはオムライス・カレーライスなど軽食が中心。大阪発は現在、日本の列車の中では「ななつ星in九州」と共に、朝昼夕3食全てを提供する数少ない列車でもある。札幌発は発車が14時台と遅いため、14時40分から16時まで「ティータイム」としてスイーツとコーヒーと紅茶程度のみ提供している。
17時30分から21時まで、夕食時間帯は「ディナータイム」としてフランス料理のコースを提供している。事前の予約定員制で、乗車日5日前の23時までにみどりの窓口と旅行センターおよび主な旅行会社で食事券を購入する必要がある。1回目は17時30分から19時、2回目は19時30分から21時で2回実施され、予約の際にどちらかを指定するが、予約が集中した場合には希望に添えないこともある。
ディナータイム終了後の21時から23時まで、主に軽食類を提供する「パブタイム」の営業時間帯となっている。ピラフやパスタの他に、ビールやワインなどのドリンク類、但馬高原鶏のから揚げやスモークサーモン・ミックスナッツといったおつまみを提供している。予約は不要で、すべての乗客が利用できる。
大阪発は6時から、札幌発は6時45分から、9時までは「モーニングタイム」となっており、朝食を提供している。45分刻みの定員制であり、希望者は乗車後に車内で利用時間を予約をする。かつては和食・洋食が選択できたが、2013年4月1日以降は洋食に統一されている。
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サロンデュノール
トワイライトエクスプレスの4号車に連結される展望サロンカー。「サロンデュノール」(Salon du Nord)とは、フランス語で「北のサロン」の意味。車両中央部の展望室部分には天地方向に拡大された眺望窓を日本海側に5組備えており、ビデオモニター用液晶テレビが両端に2台、マガジンラック、記念スタンプも設置されている。日本海会席御膳や、パブタイムでは会計を先に済ませればサロンカーまでデリバリーしてくれるので、食事を摂ることも可能である。
他に清涼飲料水・おつまみ・菓子類の自動販売機、共用シャワー室を2つ備える。シャワー室の利用は30分毎の予約制で、シャワーカード購入時に利用時間を予約することになっている。かつてあった車端部の公衆電話ブースは、現在業務用室になっている。第1,2編成と第3編成では内装が大きく異なり、第3編成はより展望しやすさが考慮された座席配置になっている。
これとは別に7号車にはミニサロンが設けられており、本革のソファー、清涼飲料水の自動販売機を備えている。7号車は喫煙車だが、このミニサロンは終日禁煙である。
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ブルートレイン
ブルートレインは、客車を使用した寝台列車を指す愛称である。但し「あさかぜ」などといった「列車愛称」とは、異なる包括的な列車の愛称である。
「あさかぜ」以降の20系、14系14形・15形寝台車、24系24形・25形で編成される寝台列車がこの名で呼ばれる。しかし座席車が半数以上連結される列車でも「ブルートレイン」と称される事例も見られた。北海道では1982年に在来形客車の代替車両として14系客車が用いられたこともあり、当時の夜行列車である「利尻」・「まりも」・「大雪」も「ブルートレイン」と称された。
逆に寝台列車ではあっても、電車である581・583系を使用した「ゆうづる」・「はくつる」や「月光」・「きりしま」・「明星」・「彗星」などは、「ブルートレイン」と称せなかった。このため285系「サンライズエクスプレス」への移行や、気動車に寝台客車を併結する形になった「利尻」・「おおぞら13・14号」→「まりも」なども、同様にブルートレインと称していない。
昼行列車では、20系客車が登場した1958年から運行開始した上野駅 - 青森駅間の昼行特急列車「はつかり」の車両に、20系と同様の青を基調とした車体色が用いられた。しかし「はつかり」は2年後の1960年にはキハ81系気動車によりディーゼル列車化され、これ以降、客車による昼行特急が定期列車に設定されることはなかった。それゆえ、客車昼行特急列車を「ブルートレイン」と呼ぶ習慣は成立しなかった。
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