
養殖する方法は、カキの幼生が浮遊し始める夏の初めにホタテの貝殻を海中に吊るすと幼生が貝殻に付着するので、後は餌が豊富な場所に放っておくだけというものである。野生のものは餌が少ない磯などに付着するため、総じて養殖物の方が身が大きくて味も良い。
一旦岩などに付着すると、一生ほとんど動かないため、筋肉が退化し内臓がほとんどを占めている。干潮時には水が無い場所に住む場合が多く、グリコーゲンを多く蓄えている。これにより、他の貝と違って水が無い所でも1週間は生きていられる。牡蠣は1個が1日約300リットルもの海水を濾過して育つという、他の生物にない類まれなる特質をもっている。英語でカキを指す“oyster”は日本語の「カキ」よりも広義に使われ、岩に着生する二枚貝のうち、形がやや不定形で表面が滑らかでないもの一般を指し、アコヤガイ類やウミギク科、あるいはかなり縁遠いキクザルガイ科などもoysterと呼ばれることがある。