バナナの叩き売りは、かつて八百屋、露天商、的屋が行う独特の口上を述べながら客を引き寄せてバナナを露天で売る手法。いわゆる啖呵売の一つとして有名である。大正時代初期に福岡県北九州市門司区の門司港周辺で行われたのが元祖。
門司港がバナナの叩き売りが有名なのは、バナナを神戸に運ぶためにその過程で悪くなったバナナをいち早く捌くため。また当時、鉄道の九州の玄関口が門司港だった事。バナナだけでなくて物資を運ぶためには鉄道が主で、九州の玄関口が門司港だったため。今でも九州の起点として0哩の塚がある。
バナナの叩き売りが全国的に有名になったのは映画『男はつらいよ』の影響である。渥美清は佐賀の名人からバナナのたたき売りを習っている。
物流の発達によりバナナが安価になり、バナナ自体が珍重されなくなってきた為、バナナの叩き売りは廃れていった。 いまでは大道芸として、お祭りのイベントの一つとして行われることがある。発祥の地、門司などでは「バナナ叩き売り保存会」が設立され、叩き売りの継承に努めている。