的屋は、縁日や盛り場などの人通りの多いところで露店や興行を営む業者のこと。祭礼や市や縁日などが催される、境内や参道、門前町において屋台や露店で出店して食品や玩具などを売る小売商や、射幸心を伴うゲームとして射的やくじ引などを提供する街商や、大道芸にて客寄せをし商品を売ったり、芸そのものを生業にする大道商人などが含まれる。「当たればもうかる」ことから的矢に準えて言われるようになった言葉である。
的屋(まとや)、香具師(やし)、三寸(さんずん)とも呼ばれる。一般には馴染みが薄いと思われるが近年までは、よく使われた通り名であり、的屋(てきや)、香具師、三寸は辞書では、同じ説明がなされている場合が多い。
小沢昭一などの文化人は的屋の啖呵を“昭和の風物”として文献や音源に残している。また映画『男はつらいよ』の主人公、“フーテンの寅”車寅次郎の生業として知られる。