ガラスの歴史は古く、紀元前4000年より前にエジプトやメソポタミアで二酸化ケイ素(シリカ)の表面を融かして作製したビーズが始まりだと考えられている。当時はガラスそれ自体を材料として用いていたのではなく、陶磁器などの製造と関連しながら用いられていた。原料の砂に混じった金属不純物などのため、不透明で青緑色に着色したものが多数出土している。
天然ガラスの利用は、さらに歴史をさかのぼる。火山から噴き出した溶岩がガラス状に固まったものは黒曜石と呼ばれ、石器時代から石包丁や矢じりとして利用されてきた。
古代ガラスは砂、珪石、ソーダ灰、石灰などの原料を1,200℃以上の高温で溶融し、冷却・固化するというプロセスで製造されていた。ガラス製造には大量の燃料が必要なため、ガラス工房は森に置かれ燃料を木に頼っていた。そのため、その森の木を燃やし尽くしたら次の森を探すというようにガラス工房は各地の森を転々と移動していた。ガラス工場が定在するようになったのは、石炭と石油が利用されるようになってから。