


大阪屋は支店を設けたり機械化で大量生産したりするより、伝統の製法を守り続ける道を選んできました。時代は移り変わり、菓子の流行も次々に変化しますが、13代目当主の福井清さん(71)は「うちは新しい菓子より、古いタイプの菓子を出す方が面白いと思っている」と笑います。「昔の技術をいかに伝えるか。それが大阪屋の使命だと思う。」
この菓子にどんな世界観を託し、『冬夏』という菓銘を戴いているのか非常に興味深いです。13代目のご主人・福井 清さんによると、想像もしない意外な答えが返って来ました。それは、「大坂冬の陣、夏の陣を忘れるな」というものであったのです。老舗の魂のようなものが、大阪屋にはずっと宿っていました。
