
イタヤカエデは、ムクロジ科カエデ属の各地の山地に生える落葉高木である。日本では北海道と秋田、他に朝鮮、サハリン、アムール地方に自生。北海道産のものはエゾイタヤ(蝦夷板屋)とも。
イタヤカエデの幹に傷を付けると、糖質を含む樹液が流れ出す。アイヌはイタヤカエデをトペニ(乳の木)と呼び、冬季の幹に傷を付けることで得た「甘いつらら」をアイスキャンデーのように賞味していた。
サトウカエデにくらべて含有糖分がやや低いものの、イタヤカエデ樹液からもメープルシュガーを作ることは可能であり、第二次世界大戦直後の砂糖不足の時代に東北や北海道で製造が試みられたことがあるが、商業ベースには乗らずに終わった。 戦後も、他のカエデと同様に、イタヤカエデの樹液を活用する試みが、日本国内の各地で行われている。
