エチオピア北東部に広がるダナキル砂漠。今から1000万年~500万年前にアフリカ大地溝帯の形成によってできた標高が海抜下の過酷な地域。その中に聳える標高613mのエルタ・アレ火山はダナキル砂漠の北部に位置する活火山で、真っ赤な溶岩湖を眺めることができる世界でも類稀な場所。
エルタ・アレ火山の拠点となるのが、アファール族の暮らすクルスワッド村。ここに住むアファール族がエルタ・アレ火山への登山を取り仕切っており、火山を訪れる全ての観光客はこの村で手続きをし、荷物を上げるためのラクダを手配しなくてはなりません。
クルスワッド村から溶岩大地の悪路を走ると、エルタ・アレ火山のベースキャンプへ到着。ここでは簡易ベッドに寝袋を敷き、満天の星空の下で野天泊となります。時おり、エルタ・アレ火山の山頂に、溶岩の色が映った赤い噴煙があがる不思議な景色を目にすることもあるのです。
エルタ・アレ火山への登頂は日中の暑い時間帯を避けるため、早朝、日の出前に出発。緩やかな傾斜の溶岩大地を歩き、約3時間30分で頂上に到着。
日が沈み、夜になってから再び火口を訪れます。漆黒の闇の中、真っ赤な溶岩が浮かびあがる様子は誰もが感嘆の声をあげる美しさ。時が経つのを忘れ、まさに生きている地球の息吹を感じることができるのです。
この記事は西遊旅行より抜粋しました。