平野兵助という男は自分のことをひと通り話す
織田信孝に仕えていて、信孝は亡太閤を憎んでいたため、形勢不利となり切腹してしまった。
侍が嫌になり、百姓になったが、検地が厳しくなり、西軍が敗れて徳川の世になるに違いないという
ここは関ヶ原合戦直後だった
今度は、信夫らのことを話せと迫る 「言葉も面妖だ 名も異風ではないか」
もう誤魔化すのもムリだと思った先生は「のちの世から来たんだ」と話してしまう
平野は動揺するが「この世には、ないはずのことが、まま、起こるものじゃ」と一応納得する
それには信夫らも驚く
戦国末期の、動乱が絶えない時代の人間のほうが理屈で固まった時代の人より、柔軟な思考力や処世術を身につけているのかもしれない
アギノは、平野自身は歴史に影響はないだろうが、誰か重要人物に話したりしたら影響が出る可能性があるという