1988年のホンダ・インテグラのテレビCMのために制作された曲で、同車のCMソングとしては「風の回廊(コリドー)」「僕の中の少年」「FIRST LUCK」に続く4作目となる。
曲の概要について「この頃はこういう感じの16ビートの曲想に凝っていた。歌詞は珍しくデモ・テープの段階で出来上がっていて、シングル・リリースの話もあったんだけど、<ゲット・バック・イン・ラブ>が売れたので、まぁいいやという事になった。
歌詞はジャック・ニコルソンの主演した『ファイブ・イージー・ピーセス』(1970年)って映画があるじゃない? ああいうイメージから始まった。だから、一種のホーボー・ソングというか。だけど、日本の場合だと土地も狭いし、欧米のイメージをそのまま持ち込んだら、凄く陳腐になってしまう。ありもしないロードやハイウェイを歌ってもしょうがないし、そういうものじゃなくて“心の中のホーボー・ソング”というか、要するに一つの場所に安住できない人の心というのは、洋の東西を問わないから、そういう心情を描いた曲を作りたかった。
日本だって“精神的な面でのホーボー”はアメリカと違う形で存在する。例えば松尾芭蕉や種田山頭火なんかもそうで、そういう“心が放浪を欲する人間の歌”を書こう、と思ったんだ」と語っている。
詞の出来については満足しており、特に2番の歌詞は山下自身のキャラクターが反映されている、という。ただ、この曲はライブだとこのグルーヴ感が出せず、ツアーに向けて何度もトライしたが結局、断念したと語っている。
本作収録曲の幾つかはアナログ・レコーディングで当初制作されているが、この曲もその一つ。収録されているテイクはデジタル・レコーディングで再度やり直されたが、渕野繁雄のサックス・ソロはアナログ・レコーディングでのテイクが余りに良かったために、このソロだけそのままデジタルマルチに移されている。