親知らずとは、ヒトの歯の一種。「智歯」「第3大臼歯」、歯科用語では「8番」(前から8番目の歯)とも呼ばれる。おおむね10代後半から20代前半に生えてくる。全ての人が4本生えてくるわけではなく、上下左右の4本が揃わない場合もあるほか、おおむね4人に1人の割合で全く生えてこない人もいる。
乳児の歯の生え始めとは違い、親がこの歯の生え始めを知ることはない。そのため親知らずという名が付いた。親知らずのことを、英語では wisdom tooth という。これは物事の分別がつく年頃になってから生えてくる歯であることに由来する。
現代の人間は顎が小さく、親知らずが生えるための十分なスペースがないことが多い。このため、横向きに生えたり傾いて生えてきたりする場合がある。このような場合は歯ブラシが入りにくく、虫歯や歯肉炎になりやすい。最悪の場合、親知らずから入り込んだ菌による炎症の影響が心臓付近まで到達し、死亡することがある。
親知らずが問題を起こしている場合は、抜歯を勧められる。年齢が上がると顎骨と歯根が癒着してくることがある。このようになると抜歯が困難になるので、若いうちの抜歯が勧められる。