マグロは、スズキ目- サバ科- マグロ属に分類される硬骨魚類の総称。 暖海棲で外洋棲、回遊性の大型肉食魚で、日本を始めとする世界各地で重要な食用魚として漁獲されている。
日本語の「マグロ」は目が大きく黒い魚であること(目黒 - まぐろ)に由来するという説がある。他にも保存する事が困難とされた鮪は、常温に出しておくとすぐに黒くなってしまう為、まっくろ→まくろ→まぐろ。と言われるようになったと言う説も存在する。
現代の日本語では、マグロ属の中の1種であるクロマグロのみを指して「マグロ」と呼ぶ場合も少なくない。全長は60 cmほどのものから3 mに達するものまで種類によって異なる。最大種タイセイヨウクロマグロは全長4.5 m・体重680 kgを超える。最大泳動速度は約90 km/h(50ノット)程度。
体型は紡錘形で体の横断面は楕円形、鱗は胸鰭周辺を除けば小さいか殆ど無く、高速遊泳に適した体型である。吻はわずかに前方に尖る。尾鰭は体高と同じくらいの大きな三日月形だが、それ以外の各鰭は小さい。第二背鰭と尻鰭の後ろにはいくつかの小離鰭(しょうりき)がある。但し、種類や成長段階によっては胸鰭・第二背鰭・尻鰭などが鎌状に細長く伸びるものもいる。
筋肉内の血管は動脈と静脈が近接する、「奇網」という構造を持つ。これで体内の熱が逃げるのを防ぎ、体温を海水温より高く保って運動能力の低下を抑える。また、水中を最高で魚雷並みの時速90km程度で泳ぐことができる。これは学術的には証明されていないが、体の表面の柔らかな粘膜が水との抵抗を少なくするためだと考えられている。