「きみ」
背後から、長髪、ジーパンスタイルの見知らぬ青年に声をかけられた
「僕と友だちにならないか? いろいろ得をするよ」
どこかの犯罪組織の一員だろうか? 「失礼します!」
逃げながら、あんな変な人に声をかけられた自分が情けなかった
帰宅し、数学にとりかかるが頭が混乱する
新しい参考書を買いに、近くの本屋に行くと、またあの青年が声をかけてきた
「きみ、数学が不得意なのか? 僕を家庭教師にしないか?
僕は浪人でね T大を受けるため、田舎から出てきて、この辺に下宿してるんだが、
教えることには自信があるんだ どうせ教えるなら、頭のいい生徒の多い南陵高校生をと考えて
君がピッタリだと思ったのさ 1、2時間でいいから、効果がなければ引き下がる どうだ?」
藁をもつかみたい真司は名前を聞くと
「僕は、吉田茂だ まあ名前なんて符号だから 有名人と同じでも気にすることはない」
夕食後、両親の前に現れた青年は、髪をきちんと分け、シャツに紺色のズボンを着て真面目な口調で事情を話し、両親はすっかり好感をもつほどだった
背後から、長髪、ジーパンスタイルの見知らぬ青年に声をかけられた
「僕と友だちにならないか? いろいろ得をするよ」
どこかの犯罪組織の一員だろうか? 「失礼します!」
逃げながら、あんな変な人に声をかけられた自分が情けなかった
帰宅し、数学にとりかかるが頭が混乱する
新しい参考書を買いに、近くの本屋に行くと、またあの青年が声をかけてきた
「きみ、数学が不得意なのか? 僕を家庭教師にしないか?
僕は浪人でね T大を受けるため、田舎から出てきて、この辺に下宿してるんだが、
教えることには自信があるんだ どうせ教えるなら、頭のいい生徒の多い南陵高校生をと考えて
君がピッタリだと思ったのさ 1、2時間でいいから、効果がなければ引き下がる どうだ?」
藁をもつかみたい真司は名前を聞くと
「僕は、吉田茂だ まあ名前なんて符号だから 有名人と同じでも気にすることはない」
夕食後、両親の前に現れた青年は、髪をきちんと分け、シャツに紺色のズボンを着て真面目な口調で事情を話し、両親はすっかり好感をもつほどだった