1974年初版発行
そんな馬鹿な!引っ越してきたQ市の迷い込んだ街角で行夫が見たのは、人力車に昔のポスト・・・、周囲にあるのは何十年も過去に遡ったような光景だった。それからこのQ市では、奇怪なことばかり起こった。以前、行夫が出したハガキが、明治13年に投函されたことになっていたり、鬼・妖怪が出るという噂が広がったり・・・。しかも奇怪なのは、この町の人々にとっては、それが日常茶飯事になっていることだった・・・。狂ったこの町で、行夫たちが体験する恐怖の世界。眉村SFジュヴナイルの名作。
美しい城下町に引っ越してきた和田行夫は、静かなこの町がどこかおかしいことに気づく。新しい学校も、生徒はみな異常に優秀で、雄々しいのだ。しかも超常現象としか思えないことがあたりまえに起こっているのにだれも気にしない...。落ちこぼれ扱いされ、孤立した行夫が限界を感じはじめたとき、「鬼の日」という祭りの存在を知る...。