トルコ石(turquoise、ターコイズ)は青色から緑色の色を持つ不透明な鉱物である。化学的には水酸化銅アルミニウム燐酸塩であり、化学式では CuAl6(PO4)4(OH)8·4H2O と表される。良質のものは貴重であり、宝石とされる。12月の誕生石でもある。
その色合いのために、数千年の昔から装飾品とされてきた。近年では他の多くの不透明の宝石と同様に、表面処理されたものや模造品・合成品が市場に出回っていて問題となっている。専門家でもその鑑定は難しい。宝石学者ジョージ・フレデリック・クンツによれば、大プリニウスの『博物誌』に「カッライス(callais)」として登場する宝石が現在のトルコ石の古名に当たるが、当時から盛んに模造品が作られていたという。
英語では turquoise (ターコイズ)と言い、フランス語の pierre turquoise (トルコの石)に由来する。十字軍(東方の文物が西ヨーロッパに到来するきっかけ)の時代にヨーロッパに広まったため、この石が「トルコの石」と呼ばれるようになり、もとは古フランス語で「トルコの」を表す形容詞だった"turquoise"と言う語が、青の色みの一つを表すようにもなった。