ドンファン池は浅く、底部も平面状のハイパー塩湖であり、死海やジブチ共和国のアッサル湖より高濃度の塩分を持つ。死海の塩分濃度が海水の 9.6 倍であるのに対してドンフアン池のそれは 18 倍以上と言われている。ドンフアン池が南極の低温においても滅多に凍ることのない唯一の塩湖であるいう事実は、世界中の塩湖の中でもトップランクの塩濃度を持っていることを意味する。
ここは地下水が湧出する場所だと解釈されている。湖水の塩成分はカルシウムとナトリウムである。池の周辺は、水分が蒸発した後の食塩と塩化カルシウムで囲まれている。池の面積や水量は刻々と変化している。
1977年の米国地質調査所 (USGS) 地形図では、その面積が 0.25 ㎢だった。だが、近年面積は減少してきている。1993年から1994年にかけての水深は 30 cmだったが1997年1月の調査では 10 cmに減少し、1998年12月には数十㎡の箇所を除いてほとんど水が無くなってしまった。残った水のほとんどは池の中の大きな塩の塊の周囲にできたくぼみの中だった。
計算された湖水の成分は、水温が- 51.8 ℃の時、CaCl2 が3.72 mol/kg で NaCl が 0.50 mol/kg だった。これは湖水 1 kg 中の重さに換算すると CaCl2 が 413 g、NaCl が 29 gとなる。
1963年に日本の調査団がドンフアン池の水中から採取した無色透明な鉱物が後に新鉱物に認定され、南極石 (Antarcticite) と命名された。