ボストーク基地はロシアの南極観測基地である。南緯78度28分、東経106度52分に位置し、標高は3488m。旧ソ連時代の1957年に開設された。
1983年7月21日にマイナス89.2℃を観測し、これは地表における世界最低気温である。また0℃を越えたことは一度もない。同じく南極大陸のドームA付近では-93.2℃の温度が観測したことがあるが、これは気温ではなく地表面温度であるため、実際にこの記録を下回っているのかは不明である。
ボストークの名称はロシア語で「東」を意味し、ロシアの南極探険家のファビアン・ゴットリープ・フォン・ベリングスハウゼンの船(Восток)に因んで命名された。
基地は南極点より約1730km離れた場所で、南極氷床の中心より東側のオーストラリアの領有権主張域に位置する。ただし南極条約の批准によりオーストラリアは領有権を行使していない。
基地は南極大陸の到達不能極および南磁軸極の近くに位置し、地球の磁気圏の観測に最適の場所となっている。他に航空気象、日照計測、地球物理学、医学、気候の研究も加えて行われる。
基地は他の南極観測基地から最も離れた場所に位置し、海岸部にあるミールヌイ基地(南緯66度33分07秒 東経93度00分53秒)から補給を受けている。基地には夏季に約25名の科学者と技術者が常駐し冬季には13名に減少する。