人類は先史時代より家畜化した牛や山羊から乳汁を採取していたと考えられるが、乳搾りに関するもので最古のものとしてはシュメールに残る約5000年前の搾乳のレリーフである。こうした技術はエジプト、ヨーロッパ、アジアへと伝播し、11世紀にはヨーロッパにおいて乳搾りが職業としての定着を見せた。
現代では牧場における擬似体験のひとつとして乳搾りを実施する場合があるが、こうした一種の「遊び」としての乳搾りは中世ヨーロッパですでに行われており、マリー・アントワネットが小トリアノン宮殿にて牛に香水をふりかけて乳搾りを行った話などが知られている。
1960年ごろよりバケットミルカー(搾乳機)が普及し始めると、手作業による乳搾りは次第に衰退していった。 現在では、パイプラインミルカー、ミルキングパーラー等の搾乳機・施設の利用や搾乳ロボットによる搾乳の自動化で、搾乳作業は機械化されている。