ホルスタイン (Holstein) はウシの品種の一つで、名前はドイツのシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州にちなむ。日本では主に乳牛としてのイメージが強いが、欧州では肉乳両方を目的として肥育されている。体型は肉用種が交雑されて以降体積が大きめで、ジャージー種等に比べて前躰がやや重い。乳房は大きく、成年を過ぎると垂れ気味になるものがある。また、前後乳区が不均称で前乳区の小さいものもある。
能力は全牛種中乳量が最も多く、標準で年間5,000kg以上あり、年間10,000kgを超えるものも珍しくない。 また、年間20,000kg以上を産出する牛は「スーパーカウ」と呼ばれ、日本では毎年で100頭前後が報告されている。乳質は比較的薄めで、乳脂肪率3.6%、無脂乳固形分8.7%程で飲用に適し、搾乳速度は極めて速く、最盛期には3kg/分に達する。
産肉能力は発育が早く、飼料効率もよく一日増体重は1.2kg程もある。と殺成績としては体が大きいので絶対肉量は多いが、長肢、骨太のため枝肉歩留は57%ぐらいで、ロース芯面積はやや小さい。脂肪の沈着は低めであるが、赤肉生産用としては問題ない。三重県鳥羽市で飼育される肉牛の加茂牛はホルスタインの雄を肥育したものである。性質は温順で、丈夫で飼いやすく産乳での飼料効率も高いが、高温、結核に対する抵抗性は弱い。