青森県は、中央を走る奥羽山脈(八甲田)によって東西に分断され、この地理的・気候的条件と歴史背景によって、大きく津軽・南部・下北の3地域に分類されます。それらは同一の県とは思えないほど、それぞれの独自の気候風土と独自の文化をもっています。
津軽と南部は、津軽氏祖・津軽為信がもともと南部藩の武士であったためか、藩政時代まで争いが絶えず、現在でも野辺地町にある旧藩境から、東西で方言がきっぱりと分かれているといいます。
津軽弁は、「どさ?」、「ゆさ!」(「どこへ行くのですか?」「風呂屋まで行きます」)というように、比較的短い言葉で会話されるのが有名です。
私(一人称単数)という意味の「わ」や、あなた(二人称単数)という意味の「な」などは、古語辞典などにも載っている、正式な日本語だったのです。このように津軽では、一般では使われなくなった古い言葉や、古い風習が多く残っているといわれます。