ニッポン無責任野郎は、1962年12月23日に公開された日本映画。東宝クレージー映画第2作にして、初の正月映画となった。前作である『ニッポン無責任時代』のヒットをうけて作られた姉妹篇であり、『~時代』の主人公である「平均(たいらひとし)」も姿を現す。
自由ヶ丘を歩いていた失業中の無責任男・源等は、道で出会った長谷川武という男からタバコの火を借りるが、この長谷川からある事を聞かされる。彼が営業部長として務めている楽器会社「明音楽器」では、近々宮前社長が引退する事になり、王仁専務と幕田常務が後釜を狙って派閥闘争が繰り広げられているのだ。それを知った等はチャンスとばかりに王仁家と幕田家に行き、専務と常務に「明音楽器はあなたの物です」とおだてて入社に成功した。
やがて同僚であるOL・丸山英子の預金を見た等は、英子に「俺は1円玉を預金して、100万円貯めているんだ」とホラを吹いて、結婚を申し込む。ガッチリ屋の英子も喜んで、見事に結婚。結婚式は1000円会費で、等と英子は式そこのけで金儲け、旅行は観光旅行に紛れ込む有り様。そして等は長谷川に惚れているバーのマダム・静子、王仁の恋人・マダム満江、宮前のお目当て芸者・初太郎のハートを捕らえ、しまいには同僚の中込と厚子の中を取り持つ調子良さ。
やがて等は未収金の取り立てに回されるが、取り立てた500万円を自分名義で預金し、利子で大儲け、そして等はサックス奏者のゲーリーを利用して、「今度アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国のスミス楽器の御曹司が来日し、技術提携をしたいと言うんだ」と言ってゲーリーを紹介。王仁と幕田は二人に口車に乗せられて、リベートしまくる。ここまでは上手くやってきた等だったが、世の中そんなに甘くない。あっさりゲーリーの正体がバレ、おまけに等の取り立て預金までバレてしまい、とうとう等は首に。ならばとばかり会社を去る等。
だがこれで王仁と幕田は、等が二人の間を行き来していた事を知り、宮前からも責任を取らされて「社長失格」とされ、明音楽器は「北海物産」の子会社に。そして「北海物産」社長・平均がやって来たその日、見覚えのある者が付いて来た。なんとあの源等だ!! 等は平均に気に入られ、社長秘書になったのだ!!