
主役を演じる植木等は元々僧侶の家庭に育ち主人公の無責任男とは正反対の人柄であり、当初この役に反発して古澤宅に押しかけ降板を申し出ようとしたが、古澤のキャラクターにかける意気込みと古澤が植木のまだ隠れている才能を見抜いていることに感服し、古澤に全てを任せようと決意した。
『ニッポン無責任時代』は1962年7月29日に封切られ、ミュージカルありコメディありの作品はこの年の夏の興行収入トップに躍り出る大ヒット作となった。植木等、クレージーキャッツ、古澤憲吾の名前は、従来あり得なかったお洒落でポップなタッチで現実を切り取る表現するスターとして認知されるようになり、日本一シリーズ、クレージーシリーズと映画の醍醐味を追求するシリーズ映画へと発展していくことになった。

東宝クレージー映画第1作「ニッポン無責任時代」の主題歌として作られたこの歌は、映画と共に大ヒットした。ヒットの理由について青島は、「大人たちの不誠実さも反吐が出るほど見せられてきた戦後の若い世代には、この唄は我が意を得たとばかり受け入れられたに違いない」と分析している。これ以降、植木は「こつこつやる奴ぁ、ご苦労さん!」というフレーズと共に「無責任男」というイメージが定着することになる。
この曲を「名作」と評している小林信彦は、「シャボン玉ホリデー」において初めてこの歌を聞いたときの「ショックを忘れることができない」と回想している。
青島によると、「タモリはこの歌を座右の銘にし、ビートたけしはこの歌で人生観を変えられた」らしい。つまり、そのくらい強烈なインパクトを「戦後ベビーブーマーの男たち」に与えたという。