岩手県と秋田県にまたがる八幡平(1613m)の山頂付近で、雪解けの季節にだけ見られる「竜の目」が今年も出現した。融雪がさらにすすむと目の形が整いそうだ。
山頂近くにある湖沼群の一つ鏡沼(直径約50m)では、中央部分の雪を囲むように解けた水がドーナツ状にたまり、巨大な「目玉」のように見える。岩手県の八幡平市観光協会では今年からこの風景を「八幡平ドラゴンアイ」と呼び、案内を始めた。「昨年、台湾の観光客がSNSで発信したのをきっかけに、海外からも注目を集めている」と、新名所に期待を込める。国立公園として管轄する環境省へ連絡のうえで5月22日、ドローンで上空から撮影すると、形がよりはっきりと確認できた。
沼の観察を続けている八幡平パークサービスセンターの工藤勲さん(67)は、「今年は水が透き通っていないが、これから去年のように青く澄んでくるかも」「周りの沼にも同じように雪が積もるが、きれいな円形に解けるのは鏡沼だけ。理由はよく分からない」とその神秘さを説明する。ドラゴンアイが見られるのは2週間ほど。同観光協会は、今年は6月初めごろまでと予想している。