昭和基地は、南極圏内の東オングル島にある日本の観測基地。南緯69度00分22秒、東経39度35分24秒、標高29.18m。基地の名称は建設された時代の元号「昭和」にちなむ。
昭和基地は、天体・気象・地球科学・生物学の観測を行う施設である。施設は53の棟から成り、3階建ての管理棟のほか、居住棟、発電棟、汚水処理棟、環境科学棟、観測棟、情報処理棟、衛星受信棟、焼却炉棟、電離層棟、地学棟、ラジオゾンデを打ち上げる放球棟があり、このほか、大型受信アンテナ、燃料タンク、ヘリポート、太陽電池パネルがある。また、貯水用の荒金ダムもある。1000キロ離れた南極大陸内にドームふじ基地がある。余暇(南極時間の土日、及び日本時間のこどもの日)を利用して基地職員によるアマチュア無線局(8J1RL)の運用が行われている。
医務室、管理棟、厨房、食堂、通信室、公衆電話室、図書室、娯楽室などは管理棟内にある。医務室は手術ができる設備があることで有名だが、実際は非常時用で、手術例はほとんどない。また郵便局もあり、日本国内と同料金で手紙やハガキを日本本土へ送る事ができる。
荒天時は使用しない特殊な棟(放球棟など)を除き、各棟は渡り廊下で接続されている。これは他国の南極基地で3m離れた別棟のトイレに向かった隊員が悪天候で遭難死する事故があり、このような事故を防ぐためである。
2003年(平成15年)1月から2004年1月2日まで、基地内にNHK南極ハイビジョン放送センターがあり、職員5名が2002年12月から越冬してセンターの建設と日本へ放送の送信を行っていたが、2004年3月に帰国した。
南極地域観測隊員は約60名で、そのうち約40名が越冬する。翌年度の隊が来た観測船で前年の越冬隊が帰国するため、基地には常に人がいることになる。所管は文部科学省と極地研究所。
かつて昭和基地内郵便局の郵便番号として100-70(国立極地研究所扱い。枝番70は一旦閉鎖された基地の業務が再開された1970年にちなむ)が宛てられていた。タイムゾーンは、基地の経度からUTC+3時間(JST-6時間)となる。