ノボラザレフスカヤ(Novolazarevskaya)基地は、ロシアの南極基地です。1961年1月18日にオープンしました。気象学、地球物理学、氷河学、海洋学の研究をしています。GPSは、南緯70°49′22″東経11°38′37″の位置にあります。年平均気温は-11℃、最低気温が-41℃で最高気温が+9,9℃を観測しています。普段は、約70名の研究者が観測しています。
Novolazarevskaya基地の地盤は固く、南極に3ヶ所ある滑走路のうちの一つがあります。ここで2003.11.23 23:15(UT)に皆既日食が見られました。
Novolazarevskaya基地のタイムゾーンは、世界標準時と同じです。真夜中の皆既日食となるのですが、ちょうど白夜の季節で北に沈まない太陽が浮かんでいました。皆既帯初めの方の同じくロシア・ミルヌイ基地でも1分56秒の皆既日食が見られるはずでしたが、こちらは雲に隠されたとのことで豪州やニュージーランドから飛び立った機上観測隊がコロナを捕らえました。
飛行機の高度は10000m以上と決まっています。高度10000mでは、それだけ大地に映った月の影の幅が延びてコロナが見られる時間も30秒ほど伸びます。この南極皆既日食では、一番長く見られたツアーではないでしょうか?日本からも機上観測者は20名ほど参加しました。豪州Qantas航空でのツアーですが皆既日食が見られる窓は高く、見られない反対側の窓は安く設定されました。
日本からは、NHKがブリザードに備えてノボラザレフスカヤ基地からチャーター機が飛び立ちました。日本時間では、2003年11月24日午前8時15分から生中継された皆既日食が見られました。
その後、午前8時20分から連続テレビ小説が放送されました。ドラマ終了後、再び皆既日食番組が放送されていたのは皆様の記憶に新しいところです。
地上では地平線スレスレの皆既日食でしたが、チャーター機からの皆既日食は高度10000m以上あったので太陽高度も15度の位置から見られました。それに伴って、皆既継続時間も2分8秒ほど続きました。