ドームふじ基地は、南極大陸上 南緯77度19分01秒、東経39度42分12秒、標高3810mに位置する日本の南極観測基地。1995年(平成7年)にドームふじ観測拠点として開設、2004年(平成16年)4月1日に「ドームふじ基地」に改称されました。昭和基地からは約1000km離れており、雪上車や航空機で移動します。
航空機で移動する場合、ノボラザレフスカヤ基地まで大型ジェット機に搭乗。そこから小型機に乗り換え、雪上車との合流地点で給油などの補給を受けてドームふじに向かいます。
ドームふじ基地では、氷床深層掘削計画が実施されています。これは、氷床を深さ3000m以上掘削して氷床コアを採取するものであり、氷床コアを分析することで過去約100万年間の気候変動が判明するものと期待されています。
以下、44th JARE Report - 24より一部抜粋
昭和基地から極点方向に1,000km離れたドームふじ観測拠点では、夏が始まったというのにこの時間氷点下54℃という過酷な環境でしたが、素晴らしいダイヤモンドリングを見ることができ、ドームふじで越冬している8人の隊員にとって、遙か南極大陸の地で見ることのできた皆既日食は一生の思い出になったとのことです。
この地で撮影された皆既日食が一番条件が良くてクリアな状態で撮影されたものではないでしょうか?
現地のGPSと皆既日食DATAを以下に記します。標高が約4000mあるので、実際の皆既継続時間は1分56秒あると思います。また皆既時太陽高度も地平線スレスレで見られたノボラザレフスカヤ基地よりも高く、約10度となります。
77° 19' 01.2" S -77.31700° 1m 44.9s (total solar eclipse)
39° 42' 12.0" E 39.70334°
Umbral depth : 75.7%
Obscuration : 100.00%
Magnitude at mid eclipse : 1.01368
Moon/Sun size ratio : 1.03612
Event (ΔT=64.6s) Date Time (UT) Alt Azi P
Start of partial eclipse (C1) : 2003/11/23 22:17:46.4 +08.3° 163.4° 287°
Start of total eclipse (C2) : 2003/11/23 23:07:31.2 +09.3° 151.7° 121°
Mid eclipse (Max) : 2003/11/23 23:08:23.6 +09.3° 151.5° 017°
End of total eclipse (C3) : 2003/11/23 23:09:16.1 +09.4° 151.3° 273°
End of partial eclipse (C4) : 2003/11/23 23:59:23.7 +10.9° 139.4° 107°
英訳
Total solar eclipse 皆既日食
Magnitude at mid eclipse 食分
Moon/Sun size ratio 月に隠された太陽の比率
Event 太陽の状態または欠け具合
Date 日付
Time (UT) UTとは世界時間。現地時間は、UTに9時間足します。
Alt 太陽高度
Azi 方位角…太陽の方向で、北を基準とし東回りに測った角度
P 北極方向角…太陽の中心に対する月面の中心の方向で、
天の北極から反時計回りに測った角度
Start of partial eclipse(C1) 第一接触…太陽の欠け始め
Start of central eclipse(C2) 第二接触…ダイヤモンドリング
Mid eclipse 最大接触…月と太陽が一番真円に近い状態で重なった瞬間
End of central eclipse (C3) 第三接触…ダイヤモンドリング
End of partial eclipse (C4) 第四接触…太陽の欠け終わり