saros№152は、南極から発生して北極で終わるサロスです。このサロスは、南極大陸で見られる機会の非常に多い日食となります。
どのサロスシリーズでも、必ず北極か南極の極地方で部分日食から発生します。南極から発生して北極で終わるサロスは北行型で、サロス№は偶数となります。一方北極から発生して南極で終わるサロスは南行型で、サロス№は奇数となります。
偶数のサロス№は、南極海付近から始まってすぐ大陸と接して皆既日食や金環日食にまで成長するものが多いのです。サロス№152だけは例外で、2220年4月4日の皆既日食まではいずれも南極大陸に皆既帯が接しています。以下のアニメでsaros №152の日食を確認して戴けると幸甚です。
ちなみにAlt.は正午中心食における太陽の高さで、 Dur.は正午中心食における皆既または金環の継続時間です。上記のアニメだと、緑色をした太陽が正午中心食となります。
Gam.は南半球では-を示し、北半球では+になります。-1~+1になると月の本影が地球に届くようになります。それ以外の数値は、地球上のどこで見ても部分日食となります。
2003年11月24日のコロナ
■saros №152の概要・10回目のサロス(1967.11.2)で南極海の一部から月の本影が地球に届き、皆既日食が起こりました。恐らく人類でこの皆既日食を観測された方は皆無だと思います。
・12回目のサロス(2003.11.23)では、某国営放送も中継した南極皆既日食がロシア・ノボラザレフスカヤ基地で見られました。日本から南極大陸に上陸して観測するツアーも初めて催行されました。日本時間では2003年11月24日です
・13回目のサロス(2021.12.4)では、南オークニー諸島と西南極で皆既日食が見られます。
・15回目のサロス(2057.12.26)では、南極半島を縦断する日没皆既日食が見られます。
・24回目のサロス(2220.4.4)では、初めて南極大陸以外の大陸で皆既日食が見られます。場所は豪州のビクトリア州で、日没皆既日食となります。
・39回目のサロス(2490.9.14)では、初めて日本を通過する皆既日食が見られます。場所は新潟県~東北地方南部です。日出皆既日食となります。それ以降は3回の金環皆既日食を経て、金環日食に遷移します。
・64回目のサロス(2941.6.16)では、グリーンランド中部で金環日食が見られるのを最後に月の擬本影は地球から離れます。
・67回目のサロス(2995.7.18)で月の半影が地球から去り、saros№152の日食は終了します。