チェリャビンスク隕石 とは、普通コンドライトに分類される隕石の1つ。2013年2月15日に地球に衝突した小惑星のうち、地球表面まで達した一部である。
本隕石は2013年2月15日に、ロシア連邦のチェリャビンスク州の上空を通過し、周辺に人的被害を及ぼす自然災害をもたらした小惑星の一部である。小惑星は地球の大気圏に突入後、隕石雲の尾を曳きながら落下し、チェリャビンスクの上空約20kmで複数の破片に分裂した。隕石が超音速で大気を通過し、さらなる分裂をおこしたことにより、TNT火薬約500キロトン相当という爆発的なエネルギーが放出された。これにより地上に到達した衝撃波は、4474棟の建物に損壊をおよぼし、割れたガラスを浴びるなどで1491人が重軽傷を負った。
本隕石はその後、チェリャビンスクから西に約90km離れたチェバルクリの畔にあるチェバルクリ湖に落下した。当時、冬であったため湖には氷が張っていたが、隕石の落下によるものとみられる直径約8mと約6mの穴が生じ、周辺に多数の破片が散らばった。ロシア内務省の送った潜水チームにより、穴周辺の水中の捜索がおこなわれたが、水の濁りのため隕石本体は発見できず、穴の周辺から大きさ約0.5cmから1cmの黒色破片、計53個を採集し捜索は一旦打ち切られた。ウラル連邦大学のVictor Grohovskyが分析した結果、金属鉄の含有量が10%と、地球の物質とは異なるため、隕石であると結論付けられ、鑑定結果は2月17日に発表された。その後、チェバルクリ湖から離れた場所でもっと大きな破片も複数見つかっており、最大の破片は重さが約1.8kgある。発見された破片の総重量は100kg以上ある。