2013年2月15日、直径17mの小惑星が地球の大気圏に突入した。現地時間9時15分(協定世界時3時15分・日本時間12時15分)、強い閃光を放ち、煙の尾を曵きながら落下する火球がチェリャビンスク州などウラル山脈中南部一帯で観測された。隕石の落下の痕跡で見られる煙のようなものは、隕石の表面が大気との断熱圧縮で高温となり蒸発し、それらが冷却凝固した細かい粒子が見えている隕石雲と考えられている。隕石雲は、低空では大気中の水蒸気が微粒子に結露して水滴化し、まるで雲のように見える。火球はその後9時20分26秒に、上空15kmから50kmで爆発し、複数の破片に分裂して落下した。
隕石は主にチェリャビンスク州から、スヴェルドロフスク州、オレンブルク州の上空で目撃されている。また、ウラル中南部と国境を接するカザフスタン北部でも目撃されている。目撃例から、隕石はカザフスタン側からロシアへと侵入していったと見られている。カザフスタン側のロシアとの国境付近で約70km、隕石が分裂する直前の高度で約30kmであったと見られている。
隕石衝突が発生して程なく数多くの動画がインターネットにアップロードされ、その一部は当時路上を走っていた車両のダッシュボード上のカメラが捉えたものであった。撮影された動画では、火球が光を曵きながら空を横切り、その後に大きな爆音が残されている。物体は一時的に太陽より明るくなり、朝の地上に影を作り出すほどに輝いていた。