ヤマトシジミは汽水域で採れる食用の二枚貝。シジミ科の二枚貝で、河川の河口など淡水と海水が入り混じる汽水域の砂礫底で見られるが、干潮になると水がなくなるような干潟にも生息できる。
殻は30 - 35 mm、殻の表面は若いうちは茶褐色、成長につれて黒色へと変化していく。殻には光沢があり、成長につれて、タイワンシジミ等より歪み易い同心円状の凹凸ができる。殻の内側は稚貝のうちはやや紫色をしているが、大きくなるにつれて白色となる。雌雄異体で卵生である。
貝類は通常、調理する前に“砂抜き”という作業を行う。ヤマトシジミの砂抜きは真水で行うことも可能で、店やメーカーによっては「1~6時間ほど砂抜きしてください」としか書いていない場合も多い。本種は前述のとおり汽水域の生物であるため、説明の有無に関わらず、汽水よりやや低い濃度(1%前後)の塩水で砂抜きを行うことが適している。こうすることで“うまみが逃げず、身が締まる”といわれている。濃度がわからない場合は、汁物よりしょっぱいと感じる程度の塩水を作り、これを同量の水で希釈するとよい。