緊急警報放送の受信機は2001年末の段階でテレビ・ラジオの対応機種の出荷台数は計50万台であり、普及率約0.2%、500台に1台にとどまっている。なお、中央防災会議(2012年)の資料における対応受信機の推定普及台数は、テレビが400万台、ラジオが50万台となっている。同資料は普及率が低迷する原因として、待機電力がかかることや、「緊急警報放送への対応」が商品価値にはほとんど資さないことなどを挙げている。
緊急警報放送により自動的に受信機が起動するということは連続して待機し続けることである。すなわちこれは放送を復調する受信部と緊急警報信号の特殊なパターンと一致するか判断する解析部に常時通電しておくことになるが、しかしアナログ式受信機の待機電力は一般的な電化製品や映像機器より低く、これは超低消費電力と宣伝している最新機器に匹敵するほどの低消費電力である。
現在販売中のアナログ式地震津波警報機(緊急警報放送と緊急地震速報の両方に対応した超短波FM放送専用受信機(取扱説明書に監視時の消費電力約1.0W記載、品番EWR200、ユニデン製)の年間電気使用料は約193円、過去に販売された中で代表的なものとして緊急警報放送受信機(NHK緊急警報放送専用アナログテレビとFM放送対応、取扱説明書に監視時の消費電力約AC0.3Wの記載、品番RF-K1、パナソニック製)は約58円である。家電業界がカタログ表示に用いる全国10電力会社平均単価(1kWh=22円、月間使用量295kWh/月の場合、税込)を年間電気使用量の換算根拠とした。デジタル放送対応チューナーは、緊急警報放送の試験信号を受信しても受信した旨の警告文を表示したり、お知らせ項目に記録を残さない。緊急警報放送の本番信号(地震や津波)を受信しても、待機から自動的に起動したり、視聴中に特定のチャンネルに切り替える旨の告知文を表示させるかどうかは各メーカーの判断(仕様)に委ねられているので購入した機器が必ず動作するなどと過度の期待は持たない方が良い。