そば湯に含まれる栄養成分のうち、米や小麦などの他の穀類と比較して特徴的なものは、ビタミン類とタンパク質の組成です。このうち、ビタミン類から見てみると、そばにはAとCは殆ど存在しません。しかしB1およびB2は多く含まれ、その量は米や小麦の約2倍にもなります。
B1については、そばがきなど100%そば粉の状態で食べた場合、わずか100gで成人1日当たりの必要量の40%近くを賄えるとされるほどです。さらには、毛細血管を強くして脳出血や出血性の諸病に対して予防効果があるとされて話題にもなったルチンが、豊富に含まれています。これらのビタミンB類やルチンは水溶性のため、茹でている間にどんどん茹で湯に溶け出してしまいます。そば湯はその茹で湯ですので、これらビタミン類の貴重な補給源でもあるわけです。
そばのタンパク質は、その半分程度が水溶性ですから、これもそば湯の中に豊富に含まれています。このタンパク質は、そばの旨み成分でもあって、栄養の面ばかりでなく、そばを余すところなく味わうにも、そば湯を飲んだ方がよいということになります。