JR北海道は、かねてよりの願望であった赤字ローカル線の廃止に向けた行動を具体化してきました。それが赤字ローカル線の収支の公表です。これまで公表されてこなかったということの方が不思議でしたが、この数字さえ見せれば道民も納得するだろうという思惑が示されています。国鉄解体時と異なり、同一の路線でも区間を区切って公表されています。
それにしても、これほどまでに経費がかかるのかという数字です。留萌・増毛間で年間2億円というのですから、この数字をみると驚きます。日高線は現在、不通になっていますが、復旧の費用30億円の目処が立っていないという理由で不通のままです。本当に30億円を要するのかはJR北海道の試算ですから、その真偽はわかりませんが、JR北海道としては、復旧することなく、このまま廃止したいところでしょう。
JR北海道によると、今後、安全に関する費用を確実に確保した場合、様々な自助努力を行っても、毎年400億円を超える営業損失を計上することになるとのことで、路線事業の見直しということは、これらの線区は廃止が前提になりえることも十分に考えられます。
JRは公共交通機関でもありますが、国鉄時代でも輸送密度2,000人以下で廃止対象になっていただけに、少子高齢化による人口減に伴って、今後は全国的にも、廃止検討が起きる路線も増えることにもなるでしょう。