東風(Tong Poo)は坂本龍一の代表作の一つ。初収録は1978年にリリースされたイエロー・マジック・オーケストラ(以下、YMO)のアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』。坂本が北京交響楽団をイメージして書いた曲である。当時文化大革命後に毛沢東の詩に曲をのせたレコードを購入し、その中に気に入った曲があり、参考にしている。
アメリカでリミックスされた『イエロー・マジック・オーケストラ (US版)』では"Yellow Magic"と改名され、吉田美奈子のヴォーカルが中間部に加えられた。このヴォーカルはアルバム制作時にすでに収録されていた模様で、日本向けプロモーション用・海外12インチシングル用の「Special DJ Copy」ヴァージョンでは吉田のヴォーカルがミックスされている。
イギリスではシングルカットされていたため、YMOのロンドンライヴでは盛り上がった。『パブリック・プレッシャー』のバージョンはロンドンでのライヴの音源であるため、盛り上がり方が確認できる。
曲のタイトルはジャン=リュック・ゴダール監督の映画「東風」から取られている。詳細は「ゴダール3部作」を参照。また、当時メンバーの行き着けの中華料理店の店名でもあった。坂本のアルバム『BTTB(通常版)』ではピアノ連弾によるセルフ・カヴァーが行われている。