千のナイフ(Thousand Knives)とは、1978年10月25日発表の坂本龍一のデビューアルバム。または、このアルバムに収録された曲。タイトルはベルギーの詩人アンリ・ミショーがメスカリン体験を記述した書物『みじめな奇蹟』の冒頭の一節からとられた。
担当ディレクターによるとレコーディングにはコロムビアの第4スタジオで延べ339時間が費やされた。当時の坂本は、昼間にスタジオミュージシャンをこなし、夜12時から朝までこのアルバムを作成し、何か月もかかったが、寝なくても平気だったと回想している。コンピュータ・オペレーターは松武秀樹が担当。坂本はシーケンサー・ローランド MC-8を初めて利用したが、このとき、音楽のノリ(はね方)を数値で分析して、コンピュータで表現することを発見している。このアルバムで、坂本らはイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)に繋がる制作手法のノウハウを得た。
ギターで渡辺香津美が参加。坂本からの注文は「火がついたように弾きまくってくれればいいから」だった。山下達郎もカスタネットで参加している。