2014MU69 は、ニュー・ホライズンズのフライバイ探査の対象となったエッジワース・カイパーベルト天体である。ニュー・ホライズンズのチームにはPT1、ハッブル宇宙望遠鏡のチームには1110113Yとも呼ばれる。2015年8月、2019年1月にフライバイが行われることが決まった。
2014年6月26日、ニュー・ホライズンズの探査に適したエッジワース・カイパーベルト天体の予備探査の際に2014MU69 は発見された。視等級26は強力な望遠鏡を用いても暗すぎるため、発見にはハッブル宇宙望遠鏡が必要であった。ハッブル宇宙望遠鏡は非常に正確な天文測定が可能で、そのため信頼できる軌道決定が可能であった。
その光度と距離から、2014MU69 の直径は30-45kmと推定されている。軌道周期は約293年で、軌道傾斜角及び軌道離心率は小さい。この軌道は、この天体が冷たいキュビワノ族天体【海王星の軌道と交叉しない軌道を持つ太陽系外縁天体】であることを示している。2015年5月と7月の観測で軌道の不確実性が大きく下がったが、MPCやJPLのデータベースには未だに登録されていない。
ニュー・ホライズンズが冥王星のフライバイに成功した後、少なくとも1つのカイパーベルト天体をフライバイするために操作が行われた。この初めてのフライバイの候補として考えられている天体はいくつかあった。最終的に2014MU69 は、若干大きいが到着により燃料を必要とする2014PN70 を押さえて探査の対象に選ばれた。ニュー・ホライズンズは2019年1月1日に、太陽から43.4AUの地点で2014MU69 に最接近する予定である。