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Channel: スチャラカでスーダラな日々
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冥王星のクレーター

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冥王星のクレーター分布図
冥王星のクレーター分布図 両サイドの赤紫色っぽい領域はクレーター分布地図の未作成領域

驚くべき発見は他にもある。冥王星の地質学的な年代が、古いものから中期、比較的若いものと広範囲に及んでいることだ。天体の表面の年代決定に用いられるクレーター計数から、冥王星には約40億年前という、太陽系の惑星形成直後にまでさかのぼる古い表面の存在が示されている。その一方で、全くクレーターの見られない広大な領域「スプートニク平原」は過去1000万年以内に形成されたと考えられている。さらに最新のクレーター計数データによって、冥王星上に中期に当たる年代の地形も発見された。冥王星は40億年以上の長い歴史を通じて、地質学的に活発だったということだ。

クレーター計数は、カイパーベルトそのものの構造にも洞察を与えてくれる。冥王星と衛星カロンに小さなクレーターが少なすぎることから、モデルの予測よりも小さな天体が少ないと考えられるのだが、そうすると幅1km程度の小天体が集まってカイパーベルト天体が形成されたとする長年のモデルに疑問が生じる。幅数十kmのカイパーベルト天体は直接形成された、というモデルが支持されることになる。

多くのカイパーベルト天体が現在の大きさで誕生したのかもしれないというのは、研究者にとっては実にエキサイティングだ。ニューホライズンズの次のターゲットである、幅40~50kmのカイパーベルト天体「2014 MU69」の探査によって、ひょっとすると太陽系を形成する元となった原初の天体の姿が初めて見える可能性もある。

Pluto flyover: Norgay Montes, Sputnik Planum and Cthulhu Regio

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