太陽系にある直径2000km以上の衛星では唯一の逆行回転公転軌道を持つ衛星で、トリトン以外にも逆行軌道を持つ衛星は発見されているが、トリトンはその中で飛びぬけて大きい。この逆向き軌道のために海王星との潮汐力の作用でトリトンの公転にブレーキがかかり、軌道が低くなって、最終的には海王星に墜落するとみられる。今から1.6 - 3.6億年後には海王星のロッシュ限界まで軌道が下がりトリトンは引き裂かれる運命にある。破片は海王星の大気に突入するか、輪になる可能性もある。
同じ海王星の衛星ネレイドとともに奇妙な軌道を持つ。このような軌道で衛星が形成されることは考えにくいことから、もともとの海王星の衛星ではなく冥王星のようなエッジワース・カイパーベルト天体が海王星の重力に捉えられたものだと考えられているが、離心率0.000 016というほぼ完全な円軌道での公転は捕獲された衛星としては異常であり、謎を残している。なお直径は冥王星より一回り大きい。
トリトンの自転軸は海王星の自転軸より157度傾いている。その結果、太陽に対する天王星のように、極地域と赤道地域が交互に太陽に面している。このため、トリトンには激しい季節変化がおきていると考えられている。