ナイアドは、海王星の衛星。歪な形で、おそらく成立後に地質は変化していない。他の衛星と同じく、海王星のトリトン捕獲時の摂動によって砕かれた海王星固有の衛星の破片が、再度融合してできたものと考えられている。
海王星の大気圏の23,500km上空という、海王星系の中で最も内側の軌道を回っている。もちろん、静止軌道半径のはるか下に位置している。この軌道は潮汐力によって徐々に衰えており、海王星の大気に消えるかロッシュ限界を超えて潮汐力により砕かれ、海王星の環になると考えられる。ナイアドの軌道は海王星の流体のロッシュ限界の中にあり、比重も十分小さいことから、既に現実のロッシュ限界にかなり近づいていると予想されている。
ナイアドは1989年9月末に発見され、ボイジャー2号探査機によって画像が撮影された。これがボイジャー2号の海王星接近飛行での最後の衛星発見となった。名前の由来はギリシャ神話の妖精の種族ナイアドから来ている。