ロッシュ限界とは、惑星や衛星が破壊されずにその主星に近づける限界の距離のこと。その内側では主星の潮汐力によって惑星や衛星は破壊されてしまう。フランスの天体力学者であり地球物理学者であったエドゥアール・ロシュが、1848年に理論的に打ち出したため、この名を持つ。
自身の重力のみで形を保っている塊を考える。この塊が伴星として主星の周りを回っている場合、伴星には主星からの潮汐力が働く。潮汐力は2物体間の距離の3乗に反比例するため、主星に近づけば潮汐力は大きくなり、ある限界点において伴星は破壊される。
ロッシュ限界の内側では小天体は成長せず、入ってきた天体は破壊される。シューメーカー・レヴィ第9彗星は木星のロッシュ限界内に入り込み分裂したことで有名になった。