リュウグウ (162173 Ryugu) は、アポロ群に分類される地球近傍小惑星の一つ。宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が実施する小惑星探査プロジェクトはやぶさ2の目標天体である。
2015年10月5日、小惑星センターのリストに「Ryugu」の名称が記載されたことがJAXAから公表された。
JAXAは、「Ryugu」の選定について以下の理由を挙げている。
1.「浦島太郎」の物語で、浦島太郎が玉手箱を持ち帰るということが、「はやぶさ2」が小惑星のサンプルが入ったカプセルを持ち帰ることと重なること。
2.小惑星1999 JU3は水を含む岩石があると期待されており、水を想起させる名称案であること。
3.既存の小惑星の名称に類似するものが無く、神話由来の名称案の中で多くの提案があった名称であること。
4.「Ryugu」は「神話由来の名称が望ましい」とする国際天文学連合の定めたルールに合致し、また、第三者商標権等の観点でも大きな懸念はないと判断したため。
リュウグウ (162173 Ryugu) は、炭素の含有量の多い炭素質コンドライトからなるC型小惑星である。観測結果から含水シリケイトの存在も示唆されている。
S型小惑星のイトカワよりも太陽系形成初期の有機物や含水鉱物をより多く含んでいると考えられること、地球から比較的近い軌道要素を持つことなどから、「はやぶさ2」の目標天体として選ばれた。
地球近傍天体 (NEO) の中でも、特に地球に衝突する可能性が大きく、かつ衝突時に地球に与える影響が大きい 潜在的に危険な小惑星 に分類されている。