蕪島は、青森県八戸市鮫町にある島。ウミネコ繁殖地として、国の天然記念物に指定されている。2013年5月に三陸復興国立公園に指定されている。
「島」と呼ばれているが、内務省と海軍省の委託工事として1942年(昭和17年)に旧海軍により2年がかりの埋め立て工事が行われ、本土と陸続きとなった。
名称の由来には諸説あり、以下のものが知られている。
蕪の花が咲く島。この「蕪」は野生のアブラナを指す。
神を祭る場所としての「神嶋(かむしま)」、「神場島(かばしま)」
アイヌ語の「カピュー」(ウミネコ等)と「シュマ」(岩場)を合わせたもの
地名は蕪島で、島の頂上に鎮座する神社名は蕪嶋神社と表記する。
ウミネコは漁場を知らせてくれる鳥であり、弁天様の使いとして大切にされてきた。そのため人家の近くでありながら島全体がウミネコの大繁殖地になっていて、毎年2月下旬から4月中旬にかけて飛来し、ナタネの咲き乱れる5月ごろ営巣・抱卵、6月に孵化したヒナが7月には巣立ち、8月には島を離れていく。その数約4万羽。日本には10か所ほどウミネコの繁殖地があるが、ウミネコの巣を間近に観察できる唯一の場所であることから、1922年に天然記念物に指定された。島の頂上には、ウミネコ監視員の常駐所がある。 2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震によって引き起こされた津波で被害を受けた。