大良双皮奶は中国広東省仏山市順徳区大良鎮発祥の牛乳プリン。地元産の水牛乳、卵白、砂糖を使用して、碗で蒸して作る。順徳料理の中心地である大良は、水牛などの乳を使う料理、食品にも特色がある。このプリンが特徴的なのは、一度水牛乳を碗に入れてよく蒸し表面に皮が張ったところで皮の端を少し破っていったん中身の乳を出し、そこに卵白と砂糖を加えてよく混ぜてから残していた皮が表面を覆うように静かに器に戻し、再び蒸すという2段蒸しの工程で作る。このためできたプリンには、最初の膜と2回目に蒸した時の薄い膜の2つの膜ができるため「双皮」という名前が付いている。熱いまま食べても、一旦冷蔵庫で冷やしてから食べてもよい。
この製法をマカオ、香港の多くの甘味処やレストランが真似て店で供しているが、乳牛の乳に代わっている。一般的に順徳の老舗のものは脂肪分が高い水牛乳のコクが出ているほか、砂糖や卵も多く使っており、しっかりしたものとなっている。これに対してマカオや香港のものは、あっさりめでなめらかな仕上がりとなっていることが多い。
順徳や香港では、インスタントの牛乳プリンも売られている。袋の中に粉末を入れたもので、少量の湯で溶いてから、定められた量の湯を加えて混ぜ、5分間ほど置くと、熱いままでゲル化する。原料は粉ミルク、砂糖、粉末タンパク質、カラギーナン(ゲル化剤)などであるが、味も薄く水分も分離しやすいなど生の材料から作られるものとは大きな違いがある。