カニは、熱帯から極地まで、世界中の海に様々な種類が生息し、一部は沿岸域の陸上や淡水域にも生息する。成体の大きさは数mmしかないものから、脚の両端まで3mを超すタカアシガニまで変化に富む。箱形にまとまった頭胸部に5対の胸脚があり、このうち最も前端の1対が鉗脚(かんきゃく:はさみ)となる。
大部分が頭胸部からなる体は、背面全体が堅いキチン質の甲羅で覆われる。頭胸甲の前縁から一対の柄の付いた複眼が突き出し、通常はすぐ外側の眼窩に倒して収納できる。触角は2対あるがいずれも短い。
呼吸は頭胸甲の両側にある鰓で行う為、生存には水が不可欠である。陸上生活にある程度適応したアカテガニやオカガニ類等も、たまに水分補給をする必要がある。水揚げしたカニが「泡を吹く」のは、限られた水を繰り返し使っているうちに水分の蒸発や鰓の粘膜成分が混じる等が原因で粘着性が出て泡となったものである。