サザエさんで昔ながらの御用聞きを演じるのが、三河屋のサブちゃんです。サザエさんは、絶好のタイミングで勝手口から現れるサブちゃんに『ちょうど良かったわ。お醤油が切れかけてたの。 そうね、お味噌もいつものを持ってきてくれる?』サブちゃんは、 『ああいつものですね。わかりました。あ、サザエさん、そこにある手紙出しときましょうか?帰りにポストの前を通るし。』
このサザエさん一家を知り尽くすサブちゃんこそが、コンシェルジュの原型なのです。 サブちゃんは磯野家の隅々までを知っています。何も言わなくとも一回に頼むお味噌の量も、どんなお味噌が好きなのかも。そろそろお醤油が切れかけていることも知っており、頼まれなくても勝手口に現れて『そろそろお醤油が切れかける頃だと思って持ってきました』と言うでしょう。
サザエさんも、駅前のスーパーでお酒を買った方が安いのを知っています。でもサザエさんはサブちゃんにお酒を頼みます。どうやら安いだけでどこから買うかを決めているのではなさそうです。これが昔ながらの心の触れ合う日本の商習慣なのです。お客様が何を望んでいるのか、今何に困っているのか、お客様に今何をお持ちすれば喜ばれるのかを知り尽くすこの商習慣は、価格に勝るとも劣らない付加価値ではないでしょうか? 株式会社りんくるの記事より抜粋